民法の全体像「債権の目的」
ここは、民法の全体像「債権の目的」を講義している教室です。
今回は,債権の目的という法律用語についてお話しますね。
毎度おなじみの例でお話しますと,例えばAさんが持っているデジタルカメラを,Bさんに3000円で売る契約を結びました。
このとき,Aさんは「代金3000円を支払って!」という債権を持ち,Bさんは「カメラを渡して!」という債権を持つのでしたね。
【図表1:売買契約を結ぶと】
この場合で,例えば
「Bさんの債権の目的は?」
って聞かれたら,どう答えます?
ふつう,
「あのー,デジカメを買って,家族旅行したときの写真でも撮るのが目的で・・・」
というような答えが頭に浮かびません?
「債権の目的」と言われると,「債権を手に入れた目的,つまり理由」のような気がするでしょ?
日常の用語なら,このように考えるのがふつうですよね。
でも,民法の用語としては,意味が違うんです。
民法では,債権の目的とは,債権の内容,言い換えると債権の中身のことなんです。
例えば,Bさんの債権の目的は,Bさんが持っている債権の内容のことなので,
「デジカメを渡して!」
と要求することがBさんの債権の目的なんです。
では,Aさんの債権の目的は,もうお分かりですよね?
そうです。「代金を支払え!」と要求することです。
債権の目的とは,債権の内容,債権の中身のことなんだって理解しておきましょう。
【図表1:債権の目的】
(終わり)
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