クマべえの行政書士試験講座

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※サンプルは次から↓

政治「選挙制度(3)」

ここは、行政書士試験講座「マスターズコース」の政治「選挙制度(3)」を講義している教室です。

今回は、選挙制度の中でも、国政選挙である衆議院議員選挙と参議院議員選挙についてお話しますね。

ちなみに、今回は文字数がかなり多いのですが、それは、しっかりと理解していただきたいからで、はやる気持ちを抑えながら、じっくりと読み込んでくださいね。

ただ、文字数は多いですが、憶えるべきところはそれほど多くはありませんので安心してください(笑)。理解できたら、あとは憶えるべきポイントを、最後のチェック問題を使って憶えてくださいね。それで試験対策はオッケーですので。


1.衆議院議員選挙

2014年4月現在、衆議院議員選挙は、定員480名のうち、小選挙区制で300名比例代表制で180名を選ぶという、小選挙区比例代表並立[へいりつ]で選挙が行われています。

それでは、「小選挙区制」と「比例代表制」、そして「小選挙区比例代表並立」について、それぞれ見ていきましょう。


(1)小選挙区

これは、日本全国を300の選挙区に分けて、そのそれぞれの選挙区で1名の議員を選ぶ方法です。

ただし、次にお話する比例代表にも立候補しておくと(これを「重複[ちょうふく]立候補」といいます)、小選挙区で落選しても、比例代表で当選できる可能性があります。これを復活当選と言ったりするのですが、このしくみについては、次の比例代表制の説明のあとでお話しますね。


(2)比例代表制

衆議院議員選挙での比例代表制では、全国を11ブロックに分けて、それぞれのブロックで決められた定数をドント式で各政党に分配します。

【図表1:ブロック】

ブロック

ですので、各政党は、ブロックごとに候補者名簿を作成します。この候補者名簿は、候補者に順位がつけられていて、1番の人から順番に当選する方式です。

このように、候補者に順位がつけられた名簿で行う比例代表制を「拘束[こうそく]名簿式比例代表制」といいます。まあ、一般的な比例代表制のことですね。ただ、あとでお話する参議院の場合と異なるので、「衆議院では『拘束名簿式』が採られているんだ」ということを覚えておいてくださいね。


(3)重複立候補制度

衆議院議員の選挙では、重複[ちょうふく]立候補制度という、変わった制度が採られています。

例えば、P党所属のAさんは、小選挙区の東京1区から立候補しながら、さらに比例代表の東京ブロックで、P党の名簿の第3位にも名前を載せています。

【図表2:重複立候補の例】

重複立候補の例

このように、小選挙区と比例代表の両方で立候補することを「重複立候補」と言うんですね。

そして、Aさんが小選挙区で当選し、P党が東京ブロックで3議席獲得した場合は、P党の名簿で、Aさんを飛ばして第1位のBさん、第2位のCさん、第4位のDさんが比例代表で当選することになります。

【図表3:重複立候補の例】

重複立候補の例

もし、Aさんが小選挙区で落選し、P党が東京ブロックで3議席獲得した場合は、P党名簿の第1位のBさん、第2位のCさん、第3位のAさんが当選します。

【図表4:重複立候補の例】

重複立候補の例

つまり、このとき、Aさんは小選挙区で落選したけど、比例代表で当選できたんですね。このような状態を「復活当選」と呼んでいます。

この制度って、小選挙区で立候補する候補者にとってはオイシイですよね。小選挙区はトップしか当選しない厳しい選挙だけど、比例区で保険を掛けられるんですから。すると、東京1区のAさんだけでなく、同じくP党所属で東京2区から立候補しているEさんも「ワシも重複立候補したい!」と言い出しますよね。この場合どうすると思います?

この場合、AさんとEさんを、同一順位で比例代表名簿に載せておくんです。例えば、P党の比例代表名簿の第3位に、AさんとEさんの名前を載せておくんです。

【図表5:重複立候補の例】

重複立候補の例

そして、選挙の結果、AさんとEさんの両方とも小選挙区で当選した場合は問題ないですね。小選挙区でAとEが、比例代表の獲得議席を3としたら、AEを除いた3人なのでBCDが当選です。

また、AさんとEさんのどちらかが当選し、もう一方が落選した場合も、問題はないですね。小選挙区でAが当選、Eは落選とし、比例代表の獲得議席を3としたら、比例代表ではAを除いた上から3名のBCEが当選ですね。

そして、AさんとEさんの両方とも小選挙区で落選したとしても、P党が比例代表で4議席獲得できたら問題ないですね。名簿の上から4名が当選なのですから、B、C、A、Eが比例代表で当選です。

でも、もしAさんとEさんの両方とも小選挙区で落選し、P党が比例代表で獲得した議席が3議席の場合はどうでしょう?

比例代表名簿の第1位のBさんと第2位のCさんが当選するのは当然として、あと1人の当選者は第3位のAさんかEさんのどちらでしょう?

このように、同一順位で、誰かを当選、他の誰かを落選すると決めなければならない場合は、「惜敗[せきはい]」の高い人が当選することになっています。

例えば、小選挙区の東京1区では、1位で当選したXさんが獲得した票は10万票、Aさんが獲得した票は7万票だったとします。

このとき、「(自分の票)÷(当選した人の票)×100」を計算します。この計算で出た数値を「惜敗[せきはい]」といいます。

ですので、Aさんの惜敗率は、「7万÷10万×100=70」ですから70%ですね。

また、東京2区では、1位で当選したYさんが獲得した票は8万票、Eさんが獲得した票は4万票だったとすると、Eさんの惜敗率は、「4万÷8万×100=50」ですから50%ですね。

ですので、AとEとでは、惜敗率の高かったAが上位にあるとして、比例代表の東京ブロックでのP党の当選者は、B、C、Aの3名となります。

ちなみに、小選挙区で、有効投票総数の10%未満の得票しかできなかった場合は、比例区での復活当選はできないことになっています。

【図表6:重複立候補の例】

重複立候補の例

ね?かなり変わった制度でしょ?複雑で理解しにくいところですが、がんばってくださいね!


(4)小選挙区比例代表並立制

ここまで見てきましたように、衆議院議員の選挙では、この小選挙区制比例代表制とを並行して同時に行います。このような選挙の仕方を「小選挙区比例代表並立[へいりつ]」と言います。この「並立制」では、基本的には小選挙区制と比例代表制のそれぞれで選挙を行い、一方の結果はもう一方の結果に影響を与えない場合のことをいいます。まあ、日本の衆議院議員選挙の場合は、重複立候補ができたりしますので、小選挙区と比例代表が少し関係性を持っているとも言えますが。


(5)小選挙区比例代表併用制

これに対して、「小選挙区比例代表併用[へいよう]」という選挙制度もあります。なんか、良く似た用語ですが、制度としては全く異なる制度なんですね。

この「併用制」は、すべての議席を比例代表制で決定し、当選者を小選挙区で決めるという制度のことをいいます。だから、「併用制」は、比例代表制を根本にして、おまけに小選挙区を加えたという、比例代表制の変形バージョンといえますね。

では、この「併用制」を理解するために、もし日本の衆議院議員選挙で、この「併用制」が採られたならどうなるか、シミュレーションしてみましょう。

まず、比例代表東京ブロックの定数は5とします。そして、小選挙区は東京1区~東京5区とします。

そして、比例代表選挙の結果、P党は3議席、Q党は2議席をそれぞれ獲得したとします。

また、小選挙区では、東京1区はP党のAさんが、東京2区はP党のBさんが、東京3区はP党のCさんが、東京4区ではQ党のDさんが、東京5区ではQ党のEさんが、それぞれ当選したとします。

これにより、P党からはA、B、Cの3名が、Q党からはD、Eの2名が、それぞれ当選とします。

これが、小選挙区比例代表併用[へいよう]の選挙の方法です。

【図表7:小選挙区比例代表併用制】

小選挙区比例代表併用制

「ねえねえ、クマべえ先生?」

「はいはい、なんでしょう?」

「この例では、比例代表での各政党の議席数と、小選挙区での各政党の議席数がうまく一致していますよね?」

「そうですね。」

「でも、もしズレたら、どうするんですか?」

確かにそうですよね。毎回毎回、選挙のたびに、そううまく一致するとは限りませんよね。

このような場合についての対応は、この「併用制」を採用している国によって違いはありますが、ドイツで行われているのを、この東京ブロックでシミュレーションしてみると、次のようになります。

まず、比例代表東京ブロックの定数は5とします。そして、小選挙区は東京1区~東京5区とします。

そして、比例代表選挙の結果、P党は3議席、Q党は2議席をそれぞれ獲得したとします。

また、小選挙区では、東京1区はP党のAさんが、東京2区はP党のBさんが、東京3区はQ党のFさんが、東京4区ではQ党のDさんが、東京5区ではQ党のEさんが、それぞれ当選したとします。

つまり、比例代表選挙ではP党は3議席、Q党は2議席なのに、小選挙区ではP党は2議席、Q党は3議席と、ズレてしまったわけですね。

まず、P党ですが、P党は、このような場合に備えて、あらかじめ比例代表名簿を作成しておきます。

そして、P党は比例代表で3議席獲得していますから、小選挙区で当選したAさんとBさん、そしてあと1議席はこの比例代表名簿の第1位のGさんが当選することになります。つまり、小選挙区の当選者を優先して議席を与え、比例名簿を補充的に使うということですね。

次にQ党ですが、Q党は、比例代表で2議席しか獲得できていないにもかかわらず、Fさん、Dさん、Eさんの3人が当選するんです。

日本の選挙制度では考えられないことをするんですね。このQ党のように、比例代表で獲得した議席を越えて議席を獲得することを「超過議席」といいます。

【図表8:小選挙区比例代表併用制】

小選挙区比例代表併用制

そういうわけで、ドイツの議会では、「基本定数598、現在は620」というように、定数と議員数がずれるんですね(このことを説明したページはこちら[サンプルページなのでリンクしていません])。


(6)小選挙区比例代表連用制

さらには、ここ最近、公明党などが導入を求めている「小選挙区比例代表連用[れんよう]」という制度もあります。

この「連用制」は、「並立制」に近いですが、「並立制」とは異なり、小選挙区の結果が比例区の結果に影響を与えるような仕組みになっています。

例えば、まず、有権者は、小選挙区では候補者名を書いて投票し、比例区では政党名を書いて投票します。そして、その結果は、小選挙区、比例区で別々に集計します。

その結果、小選挙区ではP党の候補者は10名、Q党の候補者は5名、R党の候補者は1名、それぞれ当選し、S党の候補者は当選者がいなかったとします。

また、比例区の得票数は、P党10,000票、Q党9,000票、R党6,000票、S党2,000票だったとします。

そして、この票数をドント式で計算して議席(全部で6議席としておきます)を各政党に配分するのですが、このとき、最初の割る数」は、「小選挙区での当選数+1」から始めるんですね。ここが、「並立制」との違いです。

例えば、P党は小選挙区で10名当選しましたから、10+1で「÷11」から始めます。Q党は5+1=6で「÷6」から計算するんですね。

そして、その割り算して出した数字の大きい順に6つが、その政党の獲得議席となります。

【図表9:小選挙区比例代表連用制】

小選挙区比例代表連用制

この例でしたら、P党は0議席、Q党は2議席、R党は3議席、S党は1議席を獲得することになりますね。

この結果から分かるように、「連用制」では、小選挙区で多く議席を獲得した政党は比例区では不利になり、反対に、小選挙区であまり議席を獲得できなかった政党は比例区では有利になるんですね。

前に「選挙制度(1)(←リンクしています[サンプルページなのでリンクしていません])」のページでお話しました、比例代表制の一般的な結果と見比べて見ると、その違いがよく分かると思います。

つまり、小選挙区では、P党やQ党のように、大きな政党しか当選できないのですが、この「連用制の比例区では、反対にR党やS党などの小さな政党でも議席を獲得できる制度であると言えますね。


で、なぜ今この「連用制」の導入の話が出てくるのかと言いますと、日本では1955年以降、自民党が長期間に渡って与党として政権を担当してきたんですね。これを「55年体制」といいます。

55年体制では、安定した政権で国の運営が出来るメリットがあった反面、政治汚職などが問題となったんです。

そこで、政権交代ができる仕組みを作るべきだ!との考えから、1994年に二大政党制になりやすい小選挙区制を導入したんですね。

ところが、日本の国民性って、「多様な意見をくみとって欲しい!」というニーズがあるんですね。例えば、ケータイなんか、日本国民のニーズを反映させた結果、世界的には独自の路線を進み、「ガラパゴスケータイ=ガラケー」なんて呼ばれたりしていますよね。

これは、政治についても同じで、政権交代が発生するのは良いんだけど、「どうも二大政党制は日本にはあまり馴染[なじ]まないのでは?」という疑問が大きくなってきたんです。

そこで、大きな政党に有利と言われている「小選挙区比例代表並立制」を変更して、小さな政党でも議席を獲得できる仕組みにした方が良いのでは?という意見が出てきたんです。

その仕組みの1つとして、「小選挙区比例代表連用制」が挙げられ、議論されているんですね。

実際には、「中選挙区比例代表連用制」が良いのでは?とか、さっき説明しました「連用制」の仕組みを修正したような選挙制度とかが、たたき台として挙げられています。

今後の議論の行方に注目しておきたいところですね。


2.参議院議員選挙

2014年4月現在、参議院議員選挙は、定員242名のうち、選挙区制で146名比例代表制で96名を選ぶ方法で行っています。

といっても、憲法で学ぶように、参議院議員の選挙は3年ごとに「半数改選」するのでしたね。なので、1回の選挙で、選挙区制で73名、比例代表制で48名選ぶことになりますね。

それでは、参議院議員選挙の「選挙区制」と「比例代表制」を見ていきましょう。


(1)選挙区制

参議院議員の選挙区制は、都道府県ごとに行います。つまり、1つの都道府県を1つの選挙区として選挙するんですね。

そして、各選挙区の定数は、1人から5人とされています。例えば、山梨県や鳥取県は1人、静岡県は2人、神奈川県や愛知県、大阪府は3人、東京都は5人で、4人の区は現在ありません。

ということは、1つの選挙区から1人選ぶのが小選挙区制、2人以上選ぶのが大選挙区制とするなら、参議院議員の選挙区制は、小選挙区制と大選挙区制とが混じっている制度といえますね。かなり変則的な制度といえますね。


(2)比例代表制

参議院議員の選挙は、比例代表制もかなり変則的な制度なんですね。

ふつう、比例代表制の選挙では、政党名を書いて投票するのに、参議院議員の比例代表制では、政党名か候補者名かのどちらかを書くんです。比例代表制なのに候補者名を書くなんて!なんとも変わった比例代表制です。

しかも、各政党が用意する比例代表候補者名簿には、候補者に順位がつけられていません。じゃあ、どうやって当選者を決めるんだ?!って思いますよね。

その仕組みについて、たとえを用いてお話しますね。

まず、P党の候補者名簿とQ党の候補者名簿は、次の図表10のとおりだとします。

【図表10:参議院議員の比例代表選挙】

参議院議員の比例代表選挙

そして、投票者は、政党名か、候補者名を投票用紙に書いて投票します。

その結果は、次の図表11のとおりだったとします。

【図表11:参議院議員の比例代表選挙】

参議院議員の比例代表選挙

このとき、P党の総得票数は、「P党」と政党名で投票された数と、P党所属の候補者に投票された数を合わせた数になります。

もちろん、Q党の総得票数も同じように計算します。

そして、この総得票数を使って、ドント式で議席配分します。その結果、P党は3議席、Q党は1議席獲得したとしましょう。

そして、P党は、候補者名簿を、候補者の得票数順に並べかえて、上位3人名を当選とします。

もちろん、Q党も同じように候補者名簿を並べかえて、上位1名を当選とします。

【図表12:参議院議員の比例代表選挙】

参議院議員の比例代表選挙

参議院議員の比例代表制では、このようにして当選者を決めているんですね。

この参議院議員の比例代表制のように、候補者に順位がつけられていない名簿を使う選挙のことを「非拘束名簿式比例代表制」といいます。衆議院議員の比例代表制で使われている「拘束名簿式」との違いを理解して覚えておきましょう。

あと、衆議院議員選挙の場合との違いとしては、参議院議員の比例代表制では、ブロックに分けずに行います。まあ、日本全国を1つのブロック」としているようなものですね。

そして、参議院議員の選挙の場合は、重複立候補はできません

このへん、衆議院議員の選挙の場合と対比して覚えておきましょう。

【図表13:衆参選挙制度の比較】

衆参選挙制度の比較

3.戦後の選挙制度の変遷

戦後の選挙制度の大まかな変化は、次の図表14の通りです。

【図表14:戦後の選挙制度の変遷】

戦後の選挙制度の変遷

ここでは、かつて衆議院議員の選挙で行われていた「中選挙区制」についてお話しておきましょう。

衆議院議員の選挙は、1994年に公職選挙法が改正されるまでは、いわゆる「中選挙区制」が採られていました。

中選挙区制とは、大選挙区制の1つで、1つの選挙区から3名~5名を選ぶ方法のことをいいます。

この中選挙区制では、何が問題になったかといいますと、例えばP党の支持者が多い選挙区では、P党から2人や3人の候補者を立てて、たくさんの議席を確保しようとするんですね。

すると、同じ選挙区の中で、同じP党所属の候補者同士が票の奪い合いになったりするんです。

でも、同じP党所属なので政策は同じ。じゃあ、どうやって戦うかといいますと、例えばP党所属のAさんは、

「私は○○派なので国土交通省に顔が利きます。だから、公共工事を地元に引っ張ってきて、地元経済を活性化できますよ!」

とかいって、他の候補者との違いをアピールするんですね。

こうやって、P党の中でも派閥ができて派閥争いが激しくなったり、特定の官庁に「顔が利く」ようにコネ作りをしたり([ぞく]議員)するようになっていったんです。

族議員とは、道路族とか郵政族(郵政民営化に反対したんです)とかがありまして、例えば道路族と言われる議員や集団は、高速道路の建設についての政策に詳しかったり、国土交通省に影響力を持っていたり、建設業界の利益保護のために動く力を持っていたりする議員やその集団のことをいいます。

まあ、特定の政策に詳しくなるのは良いとしても、官庁や民間企業と癒着[ゆちゃく]が行われると、そこに賄賂[わいろ]などの政治汚職が発生する恐れが出てきて、よろしくないですよね。

そういうわけで、族議員化や政党内派閥の問題が大きくなってきた原因の1つは、この中選挙区制だ!ということになったんですね。

そこで、1994年の公職選挙法を改正して、この中選挙区制は廃止され、かわりに小選挙区比例代表並立制が導入されたというわけです。

ちなみに、かつて参議院議員の選挙で行われていた地方区全国区ですが、地方区選挙は都道府県別に議員を選ぶ方式で、今の選挙区に当たります。

そして、全国区は、全国を1つの選挙区(定員50名)としたもので、たくさんの人が立候補し、投票者は候補者名を書いて投票し、第1位から第50位までの人が当選という選挙の仕方をいいます。比例代表制ではないですね。この制度は、今でいうところの、アイドルグループの○KB総選挙みたいなもんでしょうか(笑)


4.よく聞く用語

最後に、選挙が行われる際に、よく聞く用語について押さえておきましょう。

国政選挙:国会議員の選挙のことで、つまりは衆議院議員の選挙と参議院議員の選挙のことをいいます。

金権政治:お金にまみれた政治(笑)。大企業が政治家に政治献金としてお金を渡し、その代わりにその企業にとって有利な政策を行うような政治のことを表すことが多いですね。

マニフェスト:イタリア語で「宣言」「宣言書」という意味の言葉で、「うちの政党がたくさん議席を取ったら、こんな政策を実現しますよ~!」という約束(政権公約)のことをいいます。

イギリスで、選挙の際に各党がマニフェスト(政権公約)を公表しているのをモデルに、日本でも2003年ごろから行われるようになりました。実は、地方公共団体の選挙などでは、その前からマニフェストを作っているところもあったりするんですが。

供託[きょうたく]:冷やかし立候補や、選挙を売名行為に利用されるのを防ぐため、立候補するときに供託所(法務局など)に一時的に納めるお金のことをいいます。

この供託金は、選挙が終われば返してもらえるんですが、一定数の得票を集めることができなかった場合は没収されるという、コワいもの(?!)です・・・

その金額ですが、例えば、衆議院の小選挙区や参議院の選挙区の場合なら、300万円を納め、もし有効投票総数の10分の1を下回った場合は没収されてしまいます。

法定得票数:例えば、衆議院の小選挙区で、選挙で1位になったとしても、有効得票総数の6分の1を下回る票しか集めることができなかった場合、当選と認めてもらえず、再選挙が行われます。

この、当選するための最低得票ラインのことを、法定得票数といいます。衆議院の小選挙区は、今言いましたように「有効得票総数の6分の1」、参議院の選挙区は、「有効得票総数を議員定数で割った数の6分の1」とされています。

衆参ともに、比例代表ではこの法定得票数は定められていません。

ちなみに、こんな計算式は憶えなくて良いですからね。「あ~そうやって計算されているんだあ」と理解できればオッケーですので。


チェック問題

1問1答式の問題で、今回の内容の知識を定着させましょう!
次のリンクから問題のページに入り、開始ボタンをクリック(タップ)して始めます。
問題文が、妥当なら○を、妥当でなければ×を選びます。
簡単な解説が表示されますので、必ずご確認ください。
問題は22問出題されます。
解き終わると、結果が表示されます。納得いかなければ(笑)、「もう一度」をクリックしてください。
終わる場合は、ブラウザなどの「戻る」でこちらのページに戻ってきてください。

それでは、チャレンジ!

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